みつば

みつばとは

みつば(三つ葉、学名 Cryptotaenia japonica)はセリ科ミツバ属の多年草。日本原産の数少ない野菜のひとつで、1本の茎に3枚ずつ葉がつくことが名前の由来です。中国名は「鴨児芹(かもこぜり)」。

みつば

古くは湿地などに自生する野草として利用され、野菜として栽培されるようになったのは江戸時代といわれます。さわやかな香りとシャキッとした食感が持ち味で、お吸い物や茶碗蒸し、雑煮などの「香り役」として和食に欠かせない存在です。

歴史

貝原益軒の『菜譜』には「昔は食べられていなかったが、近年食用とされ市場にも出回るようになった」とあり、江戸時代に野菜として定着していった様子がうかがえます。

種類

みつばは栽培方法の違いで大きく3種類に分けられます。

糸みつば(青みつば)

密植して育て、葉柄(茎)まで全体が青いみつば。現在は水耕栽培が主流で、ウレタンのスポンジ床ごと根付きで出荷されます。価格が手頃で一年中手に入り、スーパーで見かけるみつばのほとんどがこれです。3種類の中でβ-カロテンが最も多く含まれます。

切りみつば(白みつば)

育てた根株を掘り上げ、光を当てずに軟化栽培したもの。茎は白くやや太く、根元で切りそろえて束ねて出荷されます。香りと食感が上品で、関東では正月の雑煮に欠かせない冬の味。主に料亭などの業務用です。

根みつば

地上部が枯れた株に土寄せして遮光し、茎を白く軟化させたもの。茎が白く太く、根はゴボウのようにしっかりしていて、根付きのまま出荷されます。香りが強く、4〜5月頃に旬を迎えます。根まできんぴらなどにして食べられます。

糸みつば 切りみつば 根みつば
見た目 茎まで緑で細い 茎が白くやや太い 茎が白く太い・根付き
栽培 水耕・露地 軟化栽培 土寄せして軟化
出回り 周年 冬(年末年始) 春
主な用途 家庭用 業務用 業務用・家庭用

栄養

緑黄色野菜で、特に糸みつばはβ-カロテンが豊富です。カリウム、カルシウム、鉄などのミネラル、ビタミンC・E・Kも含みます。

可食部100gあたり(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)

成分 青(糸)みつば 切りみつば 根みつば
カリウム 500 mg 640 mg 500 mg
カルシウム 47 mg 25 mg 52 mg
鉄 0.9 mg 0.3 mg 1.8 mg
β-カロテン当量 3,200 µg 730 µg 1,700 µg
ビタミンC 13 mg 8 mg 22 mg
食物繊維 2.3 g 2.5 g 2.9 g

独特の香りは「ミツバエン」「クリプトテーネン」などの成分によるもので、食欲増進や気分を落ち着かせる働きがあるといわれています。

選び方と保存

選び方

保存方法

再生栽培

葉を切り落としたスポンジ部分を水につけておくと、1週間ほどで新芽が出てきます。キッチンで手軽に「もう一回」楽しめます。

食べ方

香りを生かすため、加熱はさっと短時間が基本です。

レシピ

産地

主な産地は千葉、愛知、茨城、埼玉、静岡など。愛知・埼玉・静岡・大阪は水耕栽培の糸みつばが中心で、千葉・茨城では糸みつばに加えて切りみつば・根みつばも生産されています。

中央卸売市場への入荷量(2024年)

順位 東京都中央卸売市場 大阪の中央卸売市場計
1 千葉 大分
2 静岡 三重
3 茨城 大阪
4 埼玉 愛知
5 群馬 静岡

東京の市場は12月の入荷が最も多く、年末の需要期に価格も高くなる傾向があります。

ブランド

育ててみる

みつばは半日陰を好み、家庭菜園やプランターでも育てやすい野菜です。乾燥に弱いので、水切れに注意しましょう。

参考資料